13人が本棚に入れています
本棚に追加
/103ページ
最近では妹も料理を始めたためにあと半年もすれば料理担当は妹の詩織に変わるかも知れないが、まだ中学一年生の女の子に包丁を握らせるのは気が引ける。
せめて大人が周りにいればいいが、父母は家にいないし五歳年上の姉は自立していて帰ってはこない。そうすると必然的に余るのは俺しかいない。が、これ以上仕事が増えると心身ともに疲労が溜まるのでやばい気がする。
よってあと半年は確実に俺がご飯係を継続しないといけないだろう。俺が作らないと三食パンという生活が待っているからな。
せっせと働いていると早くも一時間が過ぎようとしていた。
「そろそろ朝食作るから、一段落したらきな」
再びエプロンを壁にかけて急いで二階に上がり、リビングに入る。
事前に炊いておいた白米があるのでふりかけを準備してスクランブルエッグを手早く作る。詩織が起きてきたのを確認してからテーブルにご飯を並べていく。
「おはようお兄ちゃん」
「ん、おはよう詩織」
まだまだ眠いのか目を擦っていた。顔を洗ってこいと促すとリビングを出て顔を洗いにいった。
詩織が戻ってくると同時に祖父もリビングに現れたので、三人でテーブルを囲んだ。
最初のコメントを投稿しよう!