ヒゲ中将とラスカ・ラスカ

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  「昼の中央広場の騒ぎ、ヤナギ・アズ、君?」 ラスカ・ラスカは絞りたてのリンゴジュースを、アズとシオンの前へ置いた。 自分の飲み物はミネラルウォーターで、それを持ってトマス・カーカーの隣に座った。 「直接は関係してませんよ。買い物の途中でした」 素直に話す。 「でもね、少し無理がありますよ‥‥髭中将の髭でしょう」 アズはリンゴジュースを飲みながら、ラスカに対し顔を斜めにした。 「なんだい? 面白そうな話じゃないか」 トマス・カーカーが食い付いてきた。 「例の空賊イベントの話ですよ。イベントの順位で空賊団のテリトリーが増えたり減ったりするんです。それでね、今年のお題がギルネ・ザザ陸軍中将に〈参った〉と言わせる〈愛用の懐中時計を盗む〉それから〈中将の髭を剃る〉なんですよ」 アズは斜めにした顔をトマスに向けて、話を続ける。 「あ!」 突然アズがトマスの方へ上体を伸ばした。 「そう言えば、昼間見た髭中将ほど立派じゃないけど、トマスさんも髭があるじゃないですか?」 「‥‥まぁ、中将殿ほど立派じゃないけどね」 「クスッ」 ラスカ・ラスカが妙なところで笑う。 「髭中将の髭、上手く剃る方法はないですかね?」 アズの顔は、グイグイとトマスの髭に近付いていく。  
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