逃亡のレプリカ

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  オメガから30m程離れた左側をオカルトが追い越して行く。 連装の回転式砲塔が発砲しながらそれを追う。 中間物質弾。 新物質を精製する段階で得られた不純物を、弾頭に埋め込んである。 防御に回された斥力を、多少なり避けて飛ぶ。 アズはオカルトの翼にある、アコーサの斥力を中間物質弾に向け防御につとめる。 中間物質弾はアコーサの斥力に軌道を逸らされて、空に四散する。 「シオン、ドローン(無人機)行ける?」 「やるわ!」 シオンは右手で握ったスティックの頭の、赤いボタンを押した。 クルクルと回転してオメガから離れるオカルトの腹が開いて、翼を畳んだミニオカルトが射出された。 火薬式のカタパルトからの射出だから、ミニオカルトは閃光を引いて直進した。 「アズ、別のオメガ、左斜め上!」 「あーもう! ハンデ有りすぎだから! 8対2とか、あーもう!」 此方のオメガは、双胴の頭それぞれに大きく笑うサメの牙がペイントされている。 サメは笑いながら、4つの銃口を稼働させてオカルトの斜め前を横切った。 「シオン、状況悪過ぎ。勿体無いけど、ドローン1機は捨てよう」 「端からそのつもり!」 サメの撃ち出した中間物質弾の何発かが、オカルトの翼に当たり弾けた。  
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