ホランの森

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  地球の大地に存在する第1物質クリル。 それを溶かした透明な溶液に浸かり続ける事で、F体は作られる。 体の中にクリルを取り込んでしまえば、F体はある程度容易に外宇宙の力斥力を第1物質に吐き出させる事が出来る。 思考波は外宇宙とこの宇宙の隙間を伝い、斥力を導く役割を為したり、意識を他人の脳に運び、その逆、他人の意識を異能体の脳に運ぶ。 新物質は宇宙の誕生から数時間の後、この宇宙が外宇宙から離れた時、外宇宙が残して行った忘れ物である。 忘れ物は宇宙空間にも存在する。 それが第2物質アコーサ。 アコーサが外宇宙から連れてくる斥力はクリルの数倍の力である。 アコーサを溶かした溶液は緑色であり、通常の人間はそれに浸かる事は不可能とされている。 「不満だねぇ」 中央のテーブルに居る緑色の髪の男がフォークを置いた。 鼻のまわりにソバカスがあり痩せている。 「001AA、ちゃんと食べなきゃ駄目よ。栄養の不足は思考波を乱すわ」 ソバカス顔の隣に座る女は、尖った小さな顎を必死で動かしている。 「002JJ、ハナマ大佐は俺達じゃ役不足と考えているんだぞ。毎日毎日、こんだけ頑張っているのに」 2人の正面の席にも緑色の男女。 此方は既に、食事を終えている。  
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