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(少佐のバートナーのF体か‥けれどもこの妙な感じって‥)
アズはローズマリーのコクピットの方を振り返り、そのあと翼の先端から跳んだ。
湿り気のある草の上に降りて、すらりと立った。
10m程先の松の木の根元に、白いパイロットスーツが横たわっている。
気を失っているのだろうか?
動かない。
(確かにオカルトの奴は上手かった。けれど、少佐の胸のバッチは撃墜王に送られる星形。それでもって、この状況でも姿を現さないF体‥‥)
腑に落ちない事の2、3を考えながら、アズはロブロの前へ歩いた。
意外にも少佐殿には意識があり、おまけに大層なご不満顔。
口は思い切りへの字になってるし、噛み締めた奥歯からキリキリという音まで聞こえてきそう。
(参ったなぁ)
無抵抗の相手を前にして、アズの口までへの字になった。
その顔のまま2人共、だんまり。
ちょろちょと風。
「少年‥‥」
切り出しは少佐から。
「ローズマリーを呉れてやるから、ニイフ・キーを助けてくれ」
「えっ?」
ロブロ・ゼッタ、どういう事?
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