ホランの森

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   アズとシオンが格納庫へ降りると、アズ号へ掛けられたタラップの下に、ガジャラ、ロマァ、ストンコの3人が立っている。 「やっぱり止した方が良いんじゃないか?」 ストンコは心配顔である。 ガジャラは無言で、ロマァは何かを言いたそうにもぞもぞしている。 「どうしたの? ロマァさん」 シオンはロマァに問い、アズは構わずタラップを登り始める。 「ラスカ・ラスカが教えてくれた。サンプルと呼ばれる生まれながらにして新物質に敏感な者を、アコーサの溶液に浸けて育てたのがレプリカと呼ばれる異能体だ。完全では無いがラムダから斥力を絞り出す。ラムダを使いこなすナチュラルに対しての、レプリカ。それと‥」 「それと?」 「陸軍第12師団が、サフスに対して何らかの行動準備に入っているらしい。それに合わせて特殊部隊ブラッカは所属大隊に吸収され解体の方向らしい」 ロマァはコクピットに足を入れたアズにも聞こえるよう、大きな声で答えた。 「シオン、行くよ」 パイロットシートに腰を沈めたアズはシオンに告げた。 格納庫の2階。作業通路に立つ、アルミナ・ジャーンをアズは見付けた。 「ジャーンさん! ブラッカが持っているラムダが僕を呼んでいるんだ。回り道じゃない!」 ロマァより大きな声で叫んだ。 アルミナ・ジャーンは、くるりと背中を見せた。 細い背中である。  
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