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「シオン、無事に輸送機を不時着させたとして、その後どうするのさ?」
「私が子供達の面倒をみるわ!」
「マジで?」
クルクルと上昇して来たベネネイはミサイルを抱えている。
胴体とほぼ同じ太さのそれを切り離し、その加速を追う。
胴太のミサイルは十分にスピードを上げたところで胴体を2つに割り、その中から多数の小型ミサイルを月の無い夜空に撒き散らした。
ベネネイは尚も直進して、無数の筒から吐き出される煙に紛れた。
「アズ! 全部中間物質弾!」
「分かってる!」
けれどもアズは真っ直ぐな下降を止めない。
「シオン、これを避けたらベネネイに堕とされる。頑張ってミサイルを弾いて」
暗闇の空に連続の火柱。
アズ号は緩やかな回転のまま高度を下げる。
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