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アズ号とベネネイの交戦空域に近付く機影がある。
双胴のブレーンシップ2機である。
緑色の髪が5人、金髪のおチビちゃんが1人、そして栗色の癖っ毛。
双胴のブレーンシップはオメガである。
機首にサメの口が描かれたブレーンシップに乗っているのは、アルフレッド・ジャゲポーとクロッカス、そして特殊部隊ブラッカの指揮官、ハナマ・ハー大佐である。
おチビちゃん以外は皆、不機嫌そうな顔をしているのは、所属師団の司令部が隊の解体を決めたからである。
サフスタワーの破壊を目的に作られた部隊が、そのタワーの完成の日に解隊の命を受けるのは滑稽ではあるが、12師団の参謀達は、かなりの以前からハナマ・ハーの師団方針から離れた立ち位置に気付いており、サフスへ送り込んだF体を使い大勢の逆転を目指すという今後の師団作戦に、ハナマ・ハーのブラッカが支障になると決断を下した。
オメガ2機は師団の第7大隊の航空基地を目指していたのであるが、その飛行路は大きく東に迂回していた。
飛行路の変更は12師団参謀本部からの指示であり、このまま進むとすれば、その先には片翼のオカルトがいる。
鉄の味に満ちた国境近くの空である。
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