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ロブロがアズに渡した物は、サフスの主力機ローズマリーのマスターキーである。
翼全体に、銀色の第１物質クリルを塗りたくってある。
「ヤナギ、質問して良いかい」
ヤナギと呼ぶ───
「ローズマリーを手に入れて、何処まで翔んで行く気だい？」
それもそうである。
未成年が軍用機を手に入れて何をするのだろう？
｢東京」
「‥‥‥なるほどね」
〈世界のワガママ〉の後、サフス連合もキラン共和国も東京を目指した。
斥力の源、新物質の研究の中心であり、軍事的中立を守り抜いた日本の首都。
〈世界のワガママ〉から１５年を経た今、キランよりも大地のエグレが少なかったサフスが占拠を続けている。
「少し無理があるなぁ｣
「どうしてさ？」
「内緒だぜ、昨日アメリカ大陸から３機のシャーイーが届いている。斥力の源は第２物質アコーサだ」
ロブロ・ゼッタ、サラリと最重要の軍事機密を話す。
「シャーイー？ さすがにそのブレーンシップは、父さんの記憶にも無いや」
だからアズ、最新鋭機だし最重要の軍事機密だから。
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