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《ザ──ッ、師団司令部からオメガ隊へ命令。C337輸送機の護衛と、所属不明機のパイロット及び異能体の身柄を確保せよ!》
「ほら来た。どうするDD? 」
001AAはドクロマークの第3シートで上体を起こした。
ドクロマークの右側の胴体、パイロットシートに座る006DDは、小さな声で答えた。
「た、大佐の指示に従う‥」
その大佐、ハナマ・ハーはサメペイントのオメガの第3シートに座り、ホランの森を飛び立って以来1度も口を開いていない。
右下の青いパネルをずっと見続けている。
その無言をDDは大佐には師団命令に対しての異論が無い事と捉え、ドクロマークの操縦権のある第1シートの操縦桿を引いた。
──「何でこうなるんだろうね‥」
加速をして離れて行くドクロマークの1番機を感じながら、漸くハナマ・ハーは口を開いた。
「師団のオカルト隊も加速したわ」
クロッカスである。
オカルト隊の加速は、どうにもオメガ1番機を追ってのものとしか思えない。
「監視されているのよ」
クロッカスと1番機の第4シートのJJが呟いたのがほぼ同時である。
「気にいらねぇ。EEにばかり固執する優柔な大佐も気に入らないが、12師団の司令部はもっと気に入らねぇ。DD、悪いが1番機の操縦権を譲ってくれ、軍に身を置いて10年‥‥そろそろ潮時だろう」
「AA、まさか!」
AAの後ろ、JJが驚いた時には1番機の操縦権は第3シートに移っていた。
右側の胴体にいる兄妹は、AAの考えに同調したらしい。
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