サトゥーマ・ゼアンネの声

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「アズ、言っちゃっていい?」 「何よ?」 アズ号は上昇を続けて、ようやく残りのベネネイを射程に捉えたところ。 「こちらに近付いているブレーンシップがあるわ。大きさからすると、ブラッカのオカルト」 「マジかよ! この状況って少々無理があるでしょ!」 ベネネイは右に大きく旋回を始め、アズ号はそれを追う。 「アズ‥‥」 「今度は何!」 「オメガの後ろに‥」 「後ろに?」 「オカルトの編隊、いち‥にぃ‥さん‥ 7機!」 1対8‥いくら何でもである。アズはベネネイを捨て、目的のC337輸送機を目指す事に決めた。 けれどもアズ号はボロボロ。だんだんと速度は落ちて、輸送機との距離は縮まらない。 「もう、もう、もう!」 叫んでも速度は上がらない。 ───《ザッ、おい片翼のオカルト。他人のお世話をしている場合かよ。ブンブンとイキの良いのが飛んで来るぜ。せいぜい落とされない様にするんだな》 「フン!」 アズ号を追い抜いて行くドクロマークのオメガ。 《12師団のお偉い方聞こえるか? こちらブラッカの001、002、006、007、異能体の特例を使う。引退だ。今から空賊になる。以上!》 特例? 空賊? ドクロマークは軽やかに飛んで行く。
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