東京へ

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「船長、駆逐艦の目的は?」 「おいおい、舟客は引っ込んでな!」 貨物船の操縦室には、白い帽子を被った仏頂面の船長と、無線機の前に座るこれもまた白い帽子の若い船員。 「船長、駆逐艦の目的は?」 アズに続いて操縦室に入ったハナマ・ハーの問いには、無線係の若い船員が答えた。 「サフスの駆逐艦が積荷の臨検をするって言うんです。笑っちゃうでしょう? 此処はまだキランの領海だっていうのに」 「ふぅん」 続いて操縦室へ入って来たのはメロウナ・チューリップ。 「ヤナギくん、ぜぇぜぇ‥で、交換条件ってのは何なんだい? ぜぇぜぇ‥」 貨物船の人々がそうしている間にも、駆逐艦は等間隔での威嚇射撃を続けている。 「今から、あの駆逐艦をゲットします。あなたと、それからハナマさんにも手伝ってもらいたいんです。こんな昼日中です。ナチュラルを隠しませんよ」 貨物船のすぐ横で水柱が高く上がる。 「何なのよ全く! ガンガン飛んで来てるの実弾じゃない!」 最後に入って来たシオンは、水しぶきでビショビショで、すこぶる不機嫌そうである。
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