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「ヤナギ、ちょっと待っててくれ」
ロブロは投げ捨てた煙草を、靴の踵で何回も踏んだ。
意外と慎重。
次にアズの前を通り、ジャンプをしてローズマリーの翼の先のアンテナを、鉄棒代わりにして翼の上に立った。
アズがさっき走った翼の道を逆に行く。
「けどよ、ヤナギ」
止まった。
「このブレーンシップ、壊れてるんだぜ」
ようやくロブロはそれに気付いた。
「大丈夫、飛ばせるとおもう」
「ふうん」
納得しちゃう。
ロブロはローズマリーの胴体まで歩くと、腰を屈めて涙型をノックした。
軽く3回。
「ニイフ、ニイフ・キー、怖がらなくても平気なようだ。 少しおっちょこちょいだけれども、気の良さそうな男の子と、君に似たキュートな女の子だ」
アズはおっちょこちょいには不満があるけど、シオンが隠れている必要も無さそうだから、少佐への反論の前に、軽く思考波をシオンに送った。
《シオン、そういう事で落ち着いたから出て来なよ。 でもさ、僕ぁ、おっちょこちょい?》
《当たってるかも》
《なんだよ!》
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