東京へ

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「ヤナギ・アズくん。だったね。」 への字口は、サザランド艦長を見るしかない。 「化石燃料が枯渇しても、我々は別のエネルギー源を持っていた」 「核力でしょう?」 「正解」 テト・ハーネメイは姿勢を変える事もなく、質問を続ける。 「核力が人類のエネルギー源から消えた理由」 「新物質の発見です」 「また正解」 核力は物を引き寄せる力の最たるもの。それを放出させて得るのが核エネルギーである。 「新物質を初めに発見したのは、残念ながらキランである。そしてそれを静かな武力として用いた。結果として、人類は化石燃料の他に、核力までも失った。自然、今に生きる我々は、文明の歯車を回す為に、新物質と斥力にしがみついている」 「艦長さん。一体、何が言いたいんです」 「ヤナギくん。君は世間で噂されるナチュラルなのだろう? どうなんだい?」 「‥‥」 アズは言葉を飲み込み、ハナマ・ハーは水平線に置いていた視線をアズに向ける。 「アズくん。黙秘だ!」 ナチュラル。 それである事を認めるのは、拘束に対して首を縦に振る行為である。
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