斥力じいと記者さんとラムダキー

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「テト艦長。私は、傍観者の椅子には座れないらしい。恨むなよ」 ハナマ・ハーはトリガーを3度引いた。 艦長室の通信機器、スプリンクラー、照明を撃った。 廊下へ出たハナマの耳に届いたのは、こちらに向かって駆けてくる軽い足音。 「そんなに走る事もないだろうに」 苦笑いを浮かべた男も、足音の方へ走る。 「ハナマさん。僕とシオンはガギガギの塔を黙らせます! だからハナマさんは斥力砲スカラを壊しちゃって下さい!」 「おいおいアズ君。急にそんな」 ハナマの姿を確認すると、クルッとせっかちくんは回った。 シオンが登って行ったのとは別の階段を、2段飛ばしで上へ行く。 「シオンがヘリコプターを飛ばす準備をしているはずです。それから最新鋭の空母が近付いています。出来ればローズマリーがいいです。それからそれから‥まぁいいや」 舷側で弾けた波を、アズとハナマを待つヘリコプターが細かい飛沫に変えている。 「シオン上出来」 アズはシオンの隣のシートに乗り込む。 「2人揃って無鉄砲はどうかと思うよ」 ハナマ・ハーは後ろのシートである。
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