斥力じいと記者さんとラムダキー

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「ん? この空域にブレーンシップだと?」 ハナマ・ハーはレーダーの右上。チャフとミサイルの拡散物が飛んで行った筈の所にある、黒い点に気が付いた。 「ここはギリギリだけどキランの領海のはず。キラン軍かなぁ? 空賊かなぁ?」 アズが何とか弾いたミサイルが、ヘリコプターをかすめて右左。 「ハナマさん。クロッカスはアルフレッドをナチュラルと言ったけど、どうなの?」 北の空から、グイグイと上等の斥力が近付いて来る。 「残念ながらアルフレッド・ジャゲポーはナチュラルではない。上等な異能体であるから、ラムダキーにはなれるかも知れんが」 「なるほどね。メロウナさんが言ってたラムダキーは人を指すんだね」 北の空から飛んで来たのは双胴のブレーンシップ。左の脇腹に、ジャゲポー空賊団の3連ドクロのトレードマーク。 《ザーッ、ヤナギ・アズ。聞こえるか? 世話を焼やかすな! 大佐は連れて帰るぞ!》 「へっ。結局さ、自分だってかなりのお節介じゃん」 躊躇も見せずに、3連ドクロはミサイル群へ向かう。
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