斥力じいと記者さんとラムダキー

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《無鉄砲とか無鉄砲とか無鉄砲とか。ヤナギ・アズ、お前は人を巻き込まないで生きられないのかい!》 3連ドクロの機体は黄色く光る。 自らが熱源体になる事で、空母ベラレクスが馬鹿の様に打ち出した艦対空ミサイルを引きつける。 「シオン! 今のうちにベラレクスへ!」 アズ達のヘリコプターは大きく弧を描いてベラレクスに向かう。 《だからそれが無鉄砲と言うのだ!》 集めるだけ集めたミサイルが爆発する。少量のラムダと第2物質アコーサの斥力で守られたオメガの機体ではある。 が、激しい振動、目の眩む光線。 ガタガタガタガタ。オメガの機体は揺れる。 「ねぇクロッカス。大佐が大事なの? アズとかいう奴が大事なの? その辺はっきりしてくれない?」 オメガの操縦桿を握るアルフレッド・ジャゲポーには分からない。 オメガは赤い炎を引いて空の高い所へ上昇して、海面スレスレのヘリコプターは洋上に浮かぶ巨大なベラレクスの艦影を漸く捉える。 「アズ、左!」 ベラレクスからの光の筋は止まない。 「どんだけミサイルを積んでるのさ!」 だから! 《だから‥》 「えっ?」 海域に新たな来訪者である。 黄色い2つの機体は、螺旋を巻いて飛翔する。 左右に別れると直ぐに、オンボロのヘリコプターの両脇についた。
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