斥力じいと記者さんとラムダキー

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《ザ──ッ。 アズ、一旦大陸へ引き返せ! 改修工事が済んだらドゴンゴを出してやる》 「ジャーンさん」 ベラレクスのミサイルは、それなりに計算されているらしい。 アズ達のヘリコプターと2機のイエロラは、巨大な新型空母の200m横を通過する形となった。 《ザ──ッ。ガハハハ、おいアズ、そんなヘリコプターで何をしようってんだ? まさか、あのデカイい船をぶん盗ろうってんじゃないだろうな?》 「ガジャラさん」 ミサイルで十分時間を稼いだベラレクスの甲板には、離陸の準備を整えたローズマリーが1・2・3・4・5機。 「まさかですよ。でもね、せめてローズマリーくらいはね‥」 ブレーンシップの離陸は、滑走を必要としない。甲板上の銀色の翼は、前屈みになって力を溜めている。 《だからイエロラを呉れてやると言った。大人の言う事は聞くものだ!》 ローズマリーは船首側の機体から斥力を放出する。 首を下げたまま発艦を始める。 「だめなんですよ。イエロラの使い道は別なんです。ジャーンさん。もしも甘えさせてもらえるならですね。アルミナ・ジャーン空挺団とジャゲポー空賊団にはハナマさんに協力してもらって、スカラを壊してもらいたいんです。どうでしょう?」 《だ───つ! ヤナギ・アズ。無茶苦茶加減にも程がある!》 空の高い所で、クロッカスが絶叫する。
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