斥力じいと記者さんとラムダキー

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ベラレクスから飛び立ったローズマリー。順番に翼を翻してヘリとイエロラを追う。 「状況‥‥悪いわね」 シオンは通り越してしまった空母に向けて、操縦桿を倒し、 「大丈夫。ジャーンさんもガジャラさんもクロッカスもいる。此処で堕ちる様ならば、僕達はそれ位だったって事さ」 アズはパネル下にある軍事用イアーノウに、ラムダナイフを突き立てた。 バンと弾けたイアーノウからは、細い放電の糸が幾筋か。 左右のイエロラが水平に展開したのを確認すると、アズは左手首のブレスレットを外して、それを電光の絡まるラムダナイフに掛けた。 「ジャーンさん、ガジャラさん、クロッカス。イアーノウの電源を落として! それからクロッカスにはお願いがある。このヘリはベラレクスの甲板に降りる。ハナマさんを拾ってくれ!」 左右に別れて上昇をするイエロラをローズマリーは追い、手すきのローズマリーがアズ達のヘリコプターに銃口を向けるのだが、弾丸の発射は、音速を超えて下降を続けた3連ドクロのオメガが阻止する。 《ザ──ッ。大概にしろ!ヤナギ・アズ。お前が1番のワガママだろうが!》 減速をしきれないオメガが作った波は高い。 「頑張るから! 俺、頑張るから!」 ベラレクスを目指すオンボロヘリの軌道はぶれない。
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