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《ザ──ツ、応答無し。ロック完了!》
「ま、マジかよ!」
速度に違いが有りすぎる。
ベネネイが機首を東に向けた時には、2つの青い機体が旧型機を左右から追い抜いて行く。
ベネネイを抜き去った青いX翼は大きく左右に展開して、それらが放った中間物質弾が、かなり遅れて飛来する。
「もう!」
アズが引いた操縦桿の角度は限界まで、アズが踏んだペダルも限界までの角度。
[アズ様、シャーイーです。サフスの最新鋭機です。パイロット1にレプリカが2で飛んでいます。状況は非常によろしくない]
上昇体制に入ったベネネイの周りで、中間物質弾が炸裂する。
ベネネイの機体に上手くリンクをしていないアズとシオンの思考波が、辛うじてその爆発から翼を守る。
「レプリカ2人分のアコーサの斥力かよ!」
「オカルトよりも速くて強い!」
ナチュラルを警戒してか、シャーイーは左右に別れた後は速度を落とし、再びベネネイの背後を狙う。
「ベネネイの装備は‥‥」
操縦桿前のディスプレイに表示された数字は、中間物質弾2000発、ドローン(無人小型機)1。中間物質弾は連射1分で撃ち尽くしてしまう数である。
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