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「ドローン射出」
「またまた了解!」
翼を折り畳んだ形でドローンは打ち出され、打ち出されたそれは数秒の後に、白い煙を巻いた三角の翼をビュンと開く。
「T200、あのさ、直進のままでいい。暫く操縦を代わってくれない?」
[良いですけど、何をなさるおつもりで? アズ様]
ディスプレイにはAUTOの文字。
「ちょっとだけれども眠れたもんだから、思考波の具合が頗る良いんだ。中間物質ってさ、クリルの精製途中で得られた物でしょう? 何とか頑張って、ドローンを経由して思考波を送れないものかなぁ」
アズはそう言いながら、コアシートのシオンへ手を伸ばした。
シオンがアズへ渡したのは、彼女のラムダナイフ。
[アズ様。それは少し、自惚れが過ぎるかと‥‥]
「そうなんだけどさ。こんな場合は自信が強い方が良いかと。不安がっていたりすると、中間物質の僅かなクリルは頑張れない」
シオンから受け取ったラムダナイフを額に当て、アズはT200に占有権を渡した操縦桿の頭の赤いボタンを押した。
ダダダダダとベネネイの尻尾の付け根の銃口から、7発の12・7㍉中間物質弾が飛び出した。
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