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「シオン、ドローンをもう1機のシャーイーにぶつけちゃって!」
直進を続けている青いX翼には001の機番。胴体下にある砲塔は、ひたすらドローンへ向けて銃弾を撃ち出している。
それを追尾するドローンは、斥力の膜で銃弾を弾き続けていたのだが、やがて1弾が鼻先に突き刺さると耐える力を失い、2発3発とその貫通を許し、細かな破片を後方に捨てながら長い長い飛行機雲になって消えた。
「ドローン消滅」
「知ってる」
ベネネイは十分に002へは銃弾を撃ち込んだ。けれどもその機体を傷付けるまでには至っていない。
あと1歩の所まで002を追い込んだはずだが、諦めなければならない。
「距離2000!」
「チッ、あと何発残ってんのさ!」
全開の斥力。X翼の回転。
ベネネイは中間物質弾を新たな標的に向けたが、その発射音は数秒と保たなかった。
(どうするアズ? せめてシオンだけでも‥‥)
「距離1000。アズ! 思考が暗すぎ!」
「こんな時に、心を読むなよ‥」
東京到達の可能性。ディスプレイの数字がは3%まで落ちた。
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