アルミナ・ジャーン空挺団

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  何故だろう? 黄色い小型機は、アズとシオンに接近すると急にバランスを崩した。 1つは右側へクルクルと向きを変え、もう1つは左に弾かれた後、フラフラフラフラ田んぼに墜落。 先頭の1機のみはすぐに体勢を立て直して、黄色い腹をアズ達に見せて上昇した。 「あらあら」 右に弾かれた黄色は、しばらくあたふたしていたが、上昇を続ける元気な1機を見つけた後は、慌ててその背中を追った。 「アズ、どういう事?」 ゆらゆらと上昇する2つの黄色。 「シオン。君が持っているラムダナイフ、それから僕が持っているスペアのナイフ。クリルの斥力がラムダの干渉を受けたのさ。けれど、あの機のF体とパイロットが上手なら、すぐに慣れて此処へ来るよ」 どうやらアズの言う通りらしく、黄色は上昇を止めると、再び緩やかな下降を始めてこちらの方に進んで来る。 未開の第3物質ラムダ。 アズとシオンが持っているラムダナイフには、それが埋め込まれている。 「フ──ッ」 小豆は意味不明の深呼吸をしたあと、軽く手足を動かした。 「シオン、Z作戦!」 「え~っ、またぁ~?」 「いや違った。Z作戦α!」 「あなたねぇ」 黄色い2機は翼から脚を出して、田んぼへの着陸姿勢を整えた。  
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