アルミナ・ジャーン空挺団

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  小型のブレーンシップと言っても、翼長20mはある。 円錐形の胴体に、尻尾みたいなものが付いている。 黄色いブレーンシップの着地はその尻尾から。 大地の味を確かめるようにチョンチョンと地面を叩くことをした後、翼の下から出した脚で田んぼの土をザザザザ掴む。 十分に土を削った後は、水蒸気のようなモヤを出している停止した機体がパカリと開いて、パイロットの顔よりも先に、何だか元気な声が出て来た。 「全く何をやってんだい! 斥力がグラついた時には気合いで飛ぶんだよ! ガジャラ、走ってってロマァのクリクリ頭にげんこつを呉れておやり!」 上手かった方のイエロラから女の声。 怒鳴られた方のコクピットから、茶色い毛皮の袖無しを着た男が飛び降りた。 飛び降りた袖無しの男は田んぼの土で滑って尻餅をついたのだけれど、直ぐに立ち上がり、さっき墜落した1機の方へ駆け出した。 「まったく。どいつもこいつも」 上手のコクピットから現れたのは、革のロングコートの女。 不機嫌そうに外の夜風を吸っている。 「美人だね」 アズ。 「まあまあね」 シオン。 上手のパイロットは、ローズマリーの去った空っぽの松林の方をしばらく眺めていたが、不自然な時間に不自然な場所で立っている少年と少女に体を向けた。 「お前たち、まさかローズマリーを逃がしたりしてないだろうね?」 アズは斜め上空でぼんやりとしている月に、視線を逃がした。 アラアラ、嘘が上手くはない。  
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