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サトゥーマ・ゼアンネの居住施設。
リビングには大きなスクリーンと複数のモニターがある。
中央のソファーに腰を沈めたサトゥーマは、軍服の1人から水の入ったグラスを受け取った。
「ドーマは無事、地球周回軌道に乗りました。ただ問題があります。思考波レーダーがドーマと同じか、それ以上の新物質を感じとっています」
「なんだと?」
ドーマの位置を示す座標軸のスクリーンは直ぐに切り替えられて日本全体を映し、拡大されて東京湾を映した。横浜港近くの動かない赤い点。
サトゥーマ・ゼアンネの表情は険しくなり、眉間には深いシワが寄った。
「へぇ、新月号、生きてたんじゃないですか? 予定外ですね」
遅れて部屋に入ったフェイスは壁に寄りかかり顎を撫でている。
「そんなはずは無い、そんなはずは! ふざけるな、手の空いているブレーンシップは全て東京湾へ回せ! 連絡には普通回線を用いても構わん! ヤナギめ‥‥ヤナギ・ユキヤ‥‥新月を何処に隠しておいたのだ!」
そして声が聞こえる。
《お願い‥‥助けて‥‥この塔はもう斥力に耐えられない‥助けて‥》
「今度は何だ! この勝手な思考波は誰だ! まさか遠距離まで飛ばしているのではあるまいな!」
サトゥーマは右手のグラスを壁に投げつけた。
細かいガラスの破片と水滴が飛び散る。
「レベルMAXで飛ばしてますね」
フェイスは壁に寄り掛かったままである。
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