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「シオン、サフスタワーから思考波が飛んで来なくなった‥‥一般の放送までも聞こえてこないんだけど」
新月は速度を上げ、斜め上空を目指す。
低い雲の塊を突き抜けた後は、更に高い場所の細い雲に近付く。
「サフスタワーが崩れるのはおそらく本当よ。クリルの乱れた斥力を感じる」
「時間が無い、か」
「斥力‥‥斥力‥‥いけないアズ! ブレーンシップが近付いて来る!」
「ふん?」
アズは目を細めて、近付いて来るという斥力を感じようとした。
「速いな‥アコーサ? いや、クリルの斥力も感じる」
「確認、シャーイーが2機。ローズマリーが3機」
「冗談! 時間が無いんだから。5対1とか、いつもいつも全く!」
「アズ! 上空、シャーイーが2機!」
高高度から斥力に隠れたX翼が下降して来る。
「ベネネイの時とは違うから。こちらは太陽の翼だ!」
アズは操縦桿を右に倒して、左端のペダルを踏んだ。
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