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「この子がイエロラをくれといっている」
「なるほど、面白い日本人だ。ガッハッハ」
大柄のガジャラが、体に似合った太身のサーベルの吊り具を鳴らした。
「なるほど、この子達が上質のF体なりナチュラルであっても、子供にブレーンシップを飛ばす事はまず無理ですね」
学者様は座りっぱなし。
そうこうしているうちに、彼等の母船、巨大なドングリは松林の上まで来ている。
アルミナ・ジャーンはそれを見上げ、指を折りながら何かを計算しているふう。
「ベッドの数だろう、テーブルと椅子、昼勤と夜勤‥‥」
ぶつぶつぶつぶつ。
「少年、名前は?」
「ヤナギ・アズ」
「ん? そしてお前は?」
「タニグチ・シオン」
「ん?‥‥‥まあ良い。イエロラだって安くは無い。我等が船ドゴンゴに乗り込んで働け。給金を貯めてから先ほどの言葉をまた言うがいい。その時に〇Xを答えてやろう」
「ええつ!」
女棟梁の意外な答えにシオンは驚いた。
アズがニヤけたのとは対照的である。
「ロマァは私のイエロラの補助席。リボンはガジャラの機の補助席に座れ。帰るぞ」
ロマァのイエロラ、誰が操縦するのよ?
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