ガギガギの塔

16/36
前へ
/300ページ
次へ
頃合いを見計らっていたサフスのブレーンシップ5機は、そのタイミングを今と見た。 鉄の匂いをばら撒きながら、順に翼を翻して急降下に移る。 「どうする、どうする!」 アズは爆炎の中で考える。 《ザ──ツ。おいサフス野郎。この喧嘩、俺達が買った!》 「えっ、今度は何さ。誰よ!」 「アズ、オメガよ!」 降下するシャーイーの鼻先を掠めたのは双胴のブレーンシップである。 黄色い機体の右側の腹にはドクロのマークがある。 《ザ──ツ。よく聞けサフス野郎。俺達は泣く子も黙るアルミナ・ジャーン空挺団の期待の新人、オメガ組だ!》 ドクロマークは大きく旋回をして、編隊を組むサフス機の背後を盗ろうとする。 《新月号の2人は一応俺等の先輩だからな。そこの所は覚えておいてもらおう》 オメガとの空中戦を覚悟した2機のシャーイーは左右に展開。 ローズマリー3機はそのまま直進するが、その後ろのには低い所を飛んで来た機首にサメのペイントのオメガがピタリとつける。 サメペイントの複数の砲口が火を吹き、銀色の無尾翼機は3方へ飛び散る。 《ザ──ツ。ヤナギ・アズ、お願いがあるの‥‥》 「だれ?」 《私は007HH‥‥》 サメペイントのコクピットからの声である。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加