ガギガギの塔

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「007HH‥‥ブラッカにいた人?」 《そう、あなたとは知らない仲ではないわ》 ───レプリカ、アコーサの溶液に浸かる異能体─── オメガの回転式の砲塔は、尚も空域を離れるローズマリーへ砲弾を送り続ける。 《お願い。サフスタワーに居るF体達を助けて。あの子達は何も悪くはないの。大人達の都合で新物質の溶液に毎日浸され、欲しくもない異能を身につけたらサフスに売られる。そんな子供達が、どうして崩れゆくタワーと運命を共にしなければならないの?》 《先輩、俺からもお願いする。残念ながら6000mの塔をどうとかする力は俺達にはない》 シャーイーとの空中戦を続けるドクロマークの操縦桿を握るのは、001AA。 記号で呼ばれる者たちには、記憶と名が無い。 《サフスに分捕られた帰還船は、更に俺達空賊が頂く。だから頼むナチュラル。理不尽を止めてくれ》 ドクロマークは2機のシャーイーに押されている。 サメペイントはそれに加勢すべく機首を上げた。 《ヤナギ・アズ、ナチュラルの意味だけ教えてはもらえないだろうか?》 上昇するサメペイントの操縦桿を握る006DDである。 加速に対する、答えが欲しいのだろう。
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