ガギガギの塔

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新月号は東へ飛んでいる。 東にはサフスの大陸がある。 (ナチュラルの意味‥‥) アズは操縦桿を倒す向きと、シオンへ振り返るかの2点で迷った。 《ナチュラルなんて嘘っぱちよ。私とアズはバリバリに人の手を加えられて生まれて来た。ナチュラルの素材は適格品と不適格品に分けられ、私の姉に当たるニイフ・キーは生まれたばかりの私とアズに、毎日毎日ラムダの溶液の中から思考波を送ることで私達をナチュラルとして完成させたの。太陽の翼計画そのものが、大いなるワガママなのよ》 「シオン‥‥」 アズは振り返る事はやめた。 新月の翼を離れた分のラムダに意識を集めた。 赤い多数の帯が、次なる獲物を探しているのを感じたから。 「ラムダ、新月の翼へ戻れ! そして僕に力を貸せ! 早くしろ、僕は少々機嫌が悪い」 サメペイントが戦いに加わった事で、劣勢を悟った2機のシャーイーは退避行動に移った。 《ありがとうナチュラル》 《ありがとう。アズ、シオン》 006DDと007HHの心の声が、新月号のコクピットへ届いた。
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