空飛ぶドングリ

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  木製の外廊下は、なだらかなスロープ。 吹き抜けに面する手摺は、軽量化の為か床と同じ木製。 何だかすぐに折れそうで、寄りかかって下を見るのには勇気が要る。 「ここ、ここが君等の部屋になる。その隣が僕んち。宜しくたのむよ」 キランの人の趣味なのか、空賊という人種の好みなのか、スロープの勾配に倣った斜めのドアがある。 「家具とかは揃ってるけど、服とかは無い。必要ならば食堂の横の売店で買いな。給金を貰う前でもツケが効くから」 給金。なるほど、この集団の一員になったからには、何かしらの仕事をせねばならないのだろう。 少し進むと、狭い斜めの廊下で、小さい女の子2人があや取りをしている。 2階の窓の外に掛けられた物干し竿に、洗濯物を干すおばさんがいて、ドアの前の椅子に座り、パイプで煙草を楽しむ老人もいる。 煙ったドゴンゴの吹き抜けには、2羽の鳩。 狭い狭い空を飛んでいる。 「小さな町じゃないか」 「うん」 坂道に面して床屋があり、バーがある。 「そうさ。俺たちの町さ」 アズとシオンの驚き顔に対して、ロマァは満足気に応えた。  
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