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スロープを登りきった所に食堂はあったのだが、店先のランプが消えているから、どうやら閉店しているようだ。
「あれぇ? まぁ良いや。料理長は明日の仕込みでまだ居るはずだから、賄い飯でもいただこう」
ロマァは鍵の掛けられていない、食堂のドアを開けた。
壁掛けの蝋燭1つに淡く照らされたホールには、白木のテーブルが1つ2つ‥‥全部で14。
「料理長、遅くなりました。スイマセンけど3人分の食事を‥‥‥と、何だい、リボン達そんな隅っこで晩御飯かい?」
カウンターの端、蝋燭の灯りが届かない場所で、3人の女の子が肩を並べて食事をしている。
「ドゴンゴの高度がかなり落ちてるから、早いとこ上に行かないとね」
1番手前に座る女の子が、ロマァに答えた。
どうやらこの子達3人は、イエロラに斥力を与える時以外は、この巨大なドングリを飛ばす仕事をしているようだ。
「その2人がナチュラル? 意外と冴えないのね」
真ん中の女の子が、スプーンを持ったまま振り返った。
いちばん壁際のリボンは、振り向く気配すらさせない。
小さな肩を動かして、固くなったパンをちぎって食べた。
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