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「何です? ジャーンさん、またソイツを乗せるんですか?」
飛行母船ドゴンゴの1番下。イエロラの格納庫では、メカニック達が慌ただしく働いている。
「ストンコは風邪だしロマァは酔っ払いだ。私の機は出せるか?」
翼をV字に畳んだイエロラは、巨大な格納庫にぶら下げられている。
キャノピーの開いた所へまでは、長い梯子が掛けられている。
「行けますけど高度が高いです。3機いっぺんの方が効率が良いです」
成る程たしかに。
次に格納庫に着いたのはシオンであり、その次がジャーン付きのフラワーとガジャラ付きの女の子。
最後に到着した毛皮の袖無しガジャラはイカツイ外見の割りに、駆けっこは苦手らしい。
「今日はアズに振り回されっぱなし」
アズの隣に立ったシオンは、肩で息をしている。
「今度、ケーキ屋でアップルパイを丸ごと買ってくる。全部シオンにあげる」
違うよアズ。
アップルパイは2人で分けて食べないと。
アズは、コクピットへ昇る梯子に足を掛けた。
サクサクと登って行く。
「本当アズ! 1人で食べても良いの?」
梯子の下で少女は喜んだが、シオン、君も間違っている。
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