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ぶら下がり状態のイエロラ。コクピットだけが、キャノピーから水平に吐き出されている。
アズはパイロットシートにスルリと収まり、シオンはコアシートにゴソゴソと座る。
「メカニックさん! コクピットを収納する手順を教えて!」
アズは高い場所から下に尋ねた。
「シートの右下のレバーを手前に引け! お前、本当に大丈夫なのか!」
アズは、返事の代わりにレバーを引いた。
クイクイと機械が鳴いて、コクピットは胴体に入り、キャノピーがゆっくりと閉じられる。
棒状のマスターキーをパネル下に差し込むと、室内灯はオレンジ色に光る。
シート脇の小さな穴から空気がどんどんと入れられて、コクピット内の気圧が上がる。
《パイロット3氏聞こえますか? ジャゲポーがブレーンシップを出した。大きい。オカルトかと思われる》
通信の後に、ドゴンゴの底が大きく左右に開いた。
イエロラ3機の発進準備は完了。
「オカルトなら、申し分なしだ」
アズはブルッと震えた後、ニヤリと笑った。
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