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20・19・18──イエロラの吊り下げフック解放へのカウントダウン。
《アズ、聞こえるか? ジャーンだ》
《聞こえますよ》
イアーノウでの通信である。
《イエロラとオカルトでは、性能の差が有り過ぎる。私が上手く囮(おとり)になるから、ガジャラと協力して、その隙を突け》
10・9・8
《ジャーンさん‥それじゃあ僕の手柄にならない》
3・2・1 ガシャン
フックが外れると、3機の黄色いV字型は夜の空に落ちた。
《少年。そこまでしてブレーンシップを手に入れ何をする?》
V字3機は落ち続ける。
《内緒の話ですよ。東京まで飛んで、行方不明の新月号を捜します。新月号を見つけたら、それに乗って海を越え、サフスタワーをぶち壊すんです》
《はぁ?》
イエロラは、V字を開く事で飛行を始める。
アズはパネル下の黄色いボタンを押した。
《お前、正気か?》
機体がグイグイと斥力を感じる。
《冗談じゃ翔びませんよ。ねぇ、シオン》
アズはコアシートを振り返ったけれども、シオンは既に目を閉じて、意識を新物質に集中させている。
「違うわアズ‥‥あれはガギガギの塔よ」
静かに言った。
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