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3機のイエロラは、半月の夜に舞う黄色い花びら。
斥力で飛んでいるから、光跡は直線よりも曲線を感じる。
《オカルトは亜音速です。距離18》
フラワーはジャーンの後ろ、黒い斥力との距離を測る。
サフスタワーは、北アメリカの山脈の中にある。
20年前に着工して、今もなお造られ続けている。
《ジャーン様、しかしアレですね、オカルトは第一線で活躍するブレーンシップです。よくもまあ軍は、ジャゲポー如きに払い下げをしたもんですね?》
サフスタワーは、地球全体に思考波を飛ばせる高さを目指している。
地球全体に統一された情報を飛ばす。個人の脳に干渉する。
《レンタルか、倉庫で埃を被っていた初期型だろう。ガジャラ、そろそろ無駄話は止しな》
15年前の〈世界のワガママ〉の原因の1つが、サフスタワーである。
理由は簡単。広範囲に思考波を飛ばせる高い塔は、軍事的な道具である以外に存在理由を説明出来ない。
アルミナ・ジャーンの1番機が速度を上げる。
黄色い腹を見せ左に行くそれを、アズの3番機は追おうとしたが、ガジャラの2番機が翼を振って制した。
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