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くるんくるんとオカルトは回転をしている。
それをしながら標的を絞った。
選ばれたのは、ヒラヒラと堕ちて行くガジャラの2番機である。
もはや戦闘不能と思われる相手を狙う。
《ガジャラ、良い餌になるな! 落ちながらでも運動を続けろ!》
アルミナ・ジャーンは、追う者と終われる者の後ろにつく。
オカルトの大きな背中に、唯一の武器、12、7ミリを撃ち込んだ。
勿論それはビュンビュンと斥力に弾かれたのだけれど、ジャーンの抵抗の意識は見事にオカルトのパイロット(EE)の脳天に命中した。
《痛てぇぞババァ!》
弾は当たってないけどね。
EEの心の絶叫は、オカルトの小さい方の翼をクルリと回し、後ろを向いたそれはフラップを上下に開いて、空いた口の中にアコーサの斥力を溜めた。
「しまった!」
ジャーンは自分の不手際に声を出し、その後悔の1番機をアズの3番機が追い抜いた。
「どいつもコイツモ馬鹿ばっかり!!」
3番機は加速に加速を重ねて、オカルトに突進した。
馬鹿ばっかり。
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