キランの人々

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  一世代前の空飛ぶ空母を改造したドゴンゴ。重い頭の下に弱い木造の居住区がある。 専用のドッグに着岸させる以外にその巨体を支える術が無いから、アジトを離れた場所では、ひたすら飛び続けなければならない。 《初めましてアズ》 《ああ、初めまして》 暗闇に、ぼんやりと光るものが浮かぶ。 《あなたナチュラルなんでしょ? 嫉妬しちゃう》 《大差ないよ》 次に現れたのは、赤みを帯びた小さく丸い玉。 《私は初めましてじゃないわね》 《ああ、フラワーだね》 《あなたが力を貸してくれるなら百人力ね》 低い場所を横に動く緑色の球体。 《サファイア、浮かれないで。意識を集中して‥‥》 《リボン、宜しくね》 《しらない!》 ドングリ型のドゴンゴ。 最上部の巨大なローターが回る。 そこに埋め込まれた第1物質に、異能体達は別宇宙からの見えない力を導いている。 「斥力が増しましたね」 操舵ブースに立ったジャーンに、ガジャラが伝えた。 「それでなくて、どうする」 アルミナ・ジャーンは顎を上げている。  
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