人任せは風任せ

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  アズとシオンが、ドングリに乗って1週間。 ドゴンゴは低い所を飛びながら、海を渡り切ろうとしている。 ドゴンゴが低い高さにいるワケ─── 「メカニック・ウーさん。そろそろ〈おやつ〉の時間じゃないですかねぇ?」 アズは無理無理格納庫に頭を突っ込んだオカルトの、これもまた無理無理に突っ込んだイエロラ3番機のコクピットに座っている。 オカルトは翼長が40mを越える。ドゴンゴの胴体の幅より全然長い翼である。 「あのねぇアズ、僕の名前はストンコ・ウーであるし、メカニックではあるがパイロットでもある。それでもって現在14:30だから〈おやつ〉の時間には早い」 オカルトを突っ込んでいるため、格納庫の大きな扉は開けっ放しである。 ドゴンゴの高度を上げると、低くなる気圧と気温で格納庫での作業が出来なくなる。 「しかし、メカニック・ウーさんって凄いですよね。オカルトにイエロラのコクピットをくっ付けるなんて普通出来ませんよ」 なるほど、大した腕前ではある。 「ヤナギ・アズ。僕はお世辞とかが嫌いであるし、時間にも厳しい方だから〈おやつ〉はあと28分待ってもらおう」 ストンコがコクピット脇の黄色いコードをつなぐと、バチバチっと小さな火花が散った。  
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