ロブロの馬鹿

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  サフスのブレーンシップ、ローズマリーが落ちたのは、田んぼの中にある小島のような松の林。 「私はつまり‥サフスのパイロットに思考波を送るだけ?」 2人の足に伝わるのは、田んぼの土のニュルっとした感じに、枯れた稲の切り株のザクザクとした感じ。 小川の土手にバイクを止めた2人。アズが前、シオンが後ろになって歩いている。 「ラムダが有るからピストルの弾は当たらない。けれども念のためだ。シオンは木の陰にでも隠れていて」 アズもシオンも夜目が効く、と言うよりは夜が見える。 思考波? 何やら聞き慣れない言葉を使っている。 「サフスの救助隊が来るんじゃないの?」 「ブレーンシップだよ。レーダーとかには映らないさ」 鉄の匂いがキツくなってきた。 松林の中からは、長い長い銀色の翼が飛び出ている。 「パイロットさんは、信号弾でも上げたいところだけど、それをしたら空賊にみつかっちゃう」 カチッ 松林の中で、何かが光った。 その次にシュッという音がして、一筋の光る煙が空へ伸びた。 「えっ! 信号弾を射っちゃったの?」 アズとシオンは、淡い半月へ向けて昇って行く光の弾を、口をあんぐりとさせて見上げている。  「ドゥ ユウ スピーク イングリッシュ?」 何時からそこに居たのか? 白いパイロットスーツの軍人さんが、シオンの肩をポンと叩いた。  
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