人任せは風任せ

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  アズはタラップを登り、再びオカルトのコクピットに乗り込んだ。 「メカニック・ウーさん、翼の付け根のラムダ、使っても良いです?」 続いてタラップを登って来るストンコに、アズは尋ねた。 「すっぽり納まっているから大丈夫だろう。それから私はメカニックパイロットあるから」 以前は複葉のオカルトであったが、上の小さい翼はアズが引きちぎってしまったから、今は単葉機である。 その左右の翼の根元に、ストンコ・ウーはラムダナイフを1本づつ取り付けていた。 「アズ、第2物質アコーサとラムダ、喧嘩しないかしら!」 機首の下でシオンが叫んだ。 「イエロラのクリルより波長は近いんだ、イケると思う」 アズは左足のペダルを軽く踏んだ。 新物質の斥力がオカルトを浮かばせ、ついでにシオンをクイクイと押した。 「晩御飯、食べに来る?」 茶色の髪の毛が暴れている。 「ああ、8時過ぎに行くよ」 シオンはなおもクイクイと押され、あっちのポールこっちの工具箱をつかんでは放し、タイミングを見計らい格納庫の扉を潜った。 オカルトの重さから解放されて、ドゴンゴは次第に高度を上げてゆく。  
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