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「で、ジャーンさん。僕ぁイベントとやらで何をすれば良いんです?」
アズの嬉々とした問い掛けに、アルミナ・ジャーンはニヤけ顔を止めて横を向いた。
「OB会のジジイどもの考えなんか知るかい‥‥」
「?」
〈警戒信号が出てるぞ〉
天井クレーンのスピーカーの声。
「何さ、警戒信号って?」
基本的に、空に浮いている物体は新物質を使っているから、レーダーとかなんだとか電磁波頼みの物には反応しない。
警戒を発したのは、ドゴンゴの管制区域に居るF体の誰かであろう。
アズはドサリとシートに座り、パネル横のボタンを押して管制室に思考派を送った。
《フラワー聞こえる?》
《どうぞ》
《何の警戒?》
《何かが近付いて来る》
《どんな感じの?》
《‥‥ヨボヨボ?》
《ヨボヨボ? ヨボヨボが来るんだね?》
《そう、ヨボヨボが来るわ》
《ありがとう。分かった》
「ジャーンさん、どうやらヨボヨボが来るらしいです」
アズは首を下の方へ向けた。
「アズ、ヨボヨボじゃないよ。飛んで来るのは今年のお題さ」
アルミナ・ジャーンは、長い髪を後ろに送った。
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