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(この感覚‥‥EEに似ているけど‥‥違うな)
アズは眉間に皺を寄せ、鼻の頭を指でつまんだ。
旧型のイエロラがドゴンゴの着艦用フックを乱暴に掴むと、ドゴンゴは大きく左右に揺れて、アズは躊躇う事無くオカルトのコクピットから飛んだ。
アズがオカルトのコクピットを離れると、今度はドゴンゴに下への動きが加わる。
アズは、ガシャリと網状の床に着地した。
隣には怒った顔のアルミナ・ジャーンが立っている。
「OB会は、軍に近付き過ぎか?」
アズには興味を示さない様子で、ジャーンは呟いた。
「ジャーンさん、あんまり良い感じがしない!」
「子供は黙っていろ」
着艦用のアームが油圧を抜かれて、ゆっくりと格納庫へお客様を運んでくる。
せっかちなパイロットは、機体の収納前なのにイエロラのキャノピーを開けた。
「ハッハッハ、アルミナ・ジャーンXΧΧΧ はな垂れΧΧΧよくもやぁΧΧΧΧΧ」
風があちこちの鉄の隙間で音をたてているし少し距離が遠いから、革の頭巾とゴーグルの老人の声は格納庫迄は届かない。
「せっかちなのか、おっちょこちょいなのか‥‥」
怒りながら笑うジャーンの妙な癖。
「ドン・ジャゲポー。ジャゲポー空賊団の生みの親だ」
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