ロブロの馬鹿

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  白いパイロットスーツの右胸には星のバッチが3つ。 金髪のハンサムである。 「ちょっと機械類の故障でね。悪いけど、今夜の宿を紹介してくれないかい?」 金髪は英語で話しているのだが、アズとシオンは、それを日本語に似た語感で聞いている。 思考波の恩恵。 「おっと失礼。ロブロ・ゼッタ、階位は少佐だ」 パイロットは綺麗な右手を差し出して、戸惑い顔のシオンに握手を求めた。 (オカルトに、軽くヤられて墜ちたんじゃないか‥‥) 「何?」 少佐の顔は微妙にひきつり、伸ばした能天気な腕を引っ込めた。 今のが思考波の悪い例。 言葉を波に変えて、相手の脳に送り込む。 「イアーノウをしていない‥ナチュラル‥‥か?」 そこからの少佐殿は速かった。 驚いたシオンの後ろに回り、彼女の首に腕を回して、片腕を取った。 「バッド ラックが実は違った! 探し物が自分から飛び込んで来やがった!」 最近になって、少佐殿の所属するサフス連合は気が付いた。 新物質から斥力をひねり出す異能体には、無理矢理に造ったF体の他に、生まれながらにしてその〈力〉を持つ者が居ると。 「シオンZ作戦始動動だ!」 アズは叫ぶと同時に、ロブロとシオンに背中を見せた。 「ちょっと、アズ!」 シオンは叫んだけれども、松林へ向けて駆け出した少年は振り返らない。   
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