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「ヒゲ中将‥‥ギルネ・ザザの事か? そりゃ幾ら何でも無理だろう。休暇中とはいえ大将に1番近いキラン陸軍の中将様だ。イキの良い奴等がワンサカ護衛についているだろう」
オカルトのコアシート、ストンコ・ウーの独り言。
「空賊イベって、こんなんなんですか?」
ジャーンの隣、アズには何が何やら、さっぱり分からなくなった。
「はい。公務はこれで終わりね。それでもってアルミナよ、代表は誰とだれじゃ」
ジイさんの武勲の1つに小型ボード1艘で、サフスの巡洋艦を生け捕りにしたという話がある。
ジャゲポーの母艦の大砲がそれだというから、本当の話なのだろう。
ジイさんの問いかけに、アルミナ・ジャーンは便箋をプルプルさせたままアズの方を見てしまった。
ドン・ジャゲポーもそれにつらてアズを見た。
普通の、キラン領の東部には何処にでも居そうな中背の少年である。
何か違いを探そうと思えば、その黒い瞳が深い深い黒さを感じさせる程度である。
ドン・ジャゲポーは、笑顔のままアズを見続ける。
「お前がオカルトを落としたのだな?」
言い終わると、笑うのを止めた。
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