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「さっ、佐和くん!ご機嫌うるわしゅう!!」
ガチャの結果など見る余裕もなく、私は慌ててケータイを閉じると、佐和くんから隠すようにそれを手の平の中に収めた。
そんな私の、真っ赤に染まった顔を机の横で見下ろす佐和くん。
あぁ、佐和くん…!
やっぱカッコイイよね、ね!?
え?坊主頭はキライ?
坊主なのは野球部なんだから仕方ないじゃろが!!
「何してたんだ葛城、ヘンな顔して?」
「へ、ヘンな顔!?私、ヘンな顔してた!?どんな顔してた!?」
「ん…、バイキンマンみたいな顔」
ガッデム!
ガチャ引く時に歯を食いしばりすぎたか私ッ!!
「てぇかさー、葛城、お前っていっつも休み時間にケータイ見てるよな?何してんの?」
「え!?」
佐和くんからの突然の質問に、私の思考回路はフリーズする。
「彼氏とメールでもしてんのか?」
「ななー!?かっ、かか彼氏なんていねぇでゲスよ!?そいつぁとんでもねぇ誤解でござんす!!」
もはや自分でも何を言っているのかわからない。
ただ、
「私に彼氏がいる」
「休み時間にいつもラブラブメールしてる」
という誤解の種を木っ端微塵にぶっ壊さねばならないということだけは、頭の片隅で理解していた。
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