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その時、神の救いか悪魔の気まぐれか、三限目の現国の授業開始を告げるチャイムが鳴った。
生活指導の顧問も兼ねた厳しい厳しい現国教師がのっそりと教室に現れる。
「じゃ、葛城、またな」
佐和くんは爽やかな笑顔を私の網膜に置き去りにして、自分の席へと戻っていった。
あーあ…、
せっかく休憩時間に佐和くんのほうから話しかけてもらったのに…、
私ってば、バイキンマンのような顔を披露しただけじゃないか…。
「あ、そうだ」
現国の教科書をカバンから出そうとして、私は手の中に握りしめていたケータイの存在を思い出した。
ガチャ!!
そういえば、ガチャの結果見てなかった!!
私は、何やら喋り出した現国教師の話もそっちのけで、期待と不安の入り混じった手で恐る恐るケータイを開いた。
「!?」
画面に表示されていたのは、ガチャで引いたばかりの見たこともない武器のグラフィック。
そして、その武器の名は―…。
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