01:驚きはすぐそばに-2

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「【平将門[SSR]】か…、いいなぁ。僕がどれだけ課金しても、いまだに一枚も引けないんだよねぇ」 「マスター!ヘンなトコに感心してないで!なんとかしなきゃだよ!」 私はマスターを煽った。 そこへ、ゆっきー姉さんが割って入り、後衛へ檄を飛ばす。 「んー、とにかくこっちもチェイン繋げなきゃ。ポイント差はともかく、せめて支援チェイン数だけでもまずは追いつこう!」 「…………」 かなるちゃんが、アルファベットの『b』を親指に見立てた顔文字を掲示板に書き込んだ。 「了解!」という意味だろう、多分。 「じゃあ、後衛の仕切りはゆっきーさんに任せたよ。かほりんさん、敵の支援はどこに?」 「おもに【スルト[SSR]】と【源義経[SR]】の全ステ。【スルト[SSR]】の攻撃力はすでに天井。【平将門[SSR]】の防御はまだ全然上げてないよ」 「やはり『呪怨』狙いか。なら、前衛は【平将門[SSR]】には手を出さず、他の連中から狙っていこう」 「マスター、了解!」 「うっかり【平将門[SSR]】を物理攻撃で気絶させたヤツは、罰として明日一日、ハンドルネームを“おっぱっぴー師匠”に変更の刑に処す」 おぉう、なんたるハイセンスな罰ゲーム…!! その改名だけは女子高生のプライドにかけて避けたい!!
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