01:驚きはすぐそばに-2

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だが、 そのあとすぐ、サイファさんから返ってきたコメントは、私の予想から大きく掛け離れたものだった。 結論から言えば、 彼は、サイファさんは、 ぱんつまにあの変態でも、出会い目的のロンリーガイでもなかった。 「今日からこのゲームの運営会社が切り替わったのは知ってますよね?モバイルカンパニーから、メタトロンエンタテイメントへ。僕はその、モバイルカンパニーのプログラマーなんです」 ただの、バカだった。 あちゃー! なんか、イタいのに絡まれちゃったなー…。 私は約束どおりそのイタいコメントを自分の掲示板から削除すると、どのように返信したらいいか考えてみた。 なんせ、ほとんど初対面のようなものだ。冗談が通じる相手なのかどうかさえわからんし…。 『あらあなた、ご冗談がお上手ですのね?ホホ…』 と、社交界の貴婦人バージョンでいくか、 『えー、なんの話かわかんなーい』 と、頭悪い女子高生(AWJK)バージョンでいくか…。 何度もページの再読み込みをしながら決めあぐねていると、サイファさんからまた新たなコメントが書き込まれていることに気づく。 「今はまだ、信じてもらえなくてもいいですよ。ですがいずれ、あなたは僕を信じざるを得なくなります。詳しいお話はその時にしましょうか。あまり時間はないのですがね」
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