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麟が男達に指示し、腐った遺体に浄めるためと、酒をかけ、死にかけていた男に対しては、
「こいつは人間じゃないから、まずは死なんだろ。
微かに息はしているしな。
その少年も人間じゃないし、日の当たらぬ牢にでも閉じ込めておけ、こいつも連れていく運べ」
なんて言っている通り、まだ生きていた。
しかもこの少年も人間ではない。
札を外そうともがく少年に対し、総十は、
「悪いがそう言う事だ」
連れていく為、嫌がる少年を肩に乗せ、もう1つ総十は、土鬼に指示をした。
「土鬼、あの欠けた刀を全て集めろ」
先程土鬼が持ってきた刀の刃を思い出し、とりあえず集めさせる事にした。
土鬼はその指示に従い、
「もっぎゅ、もっぎゅ」
小さな欠片も隈無く探した。
この時、総十には、ある思いが過り、
『あの欠けた刃から微かだが、何か感じだ。
凄く懐かしい何かを……』
どうしても、欠けた刀の正体と、人外である2人との関係を知りたかった。
土鬼の力と事前に火消しもやっていたお陰で、火も思いの外、火を消すのが早く終わり、
「皆! 帰るぞ! 後、この男は私が預かる、連れてこい!」
麟の掛け声で、皆帰る準備と、2人の男は、人外である男を担いで連れ帰った。
無論、この少年も連れ帰るが、少年は札を外さぬまま、暗い牢の中に閉じ込め、男は麟が預かるの一点張りとなり、会うことすら禁じられた。
総十は諦め、その辺の角で寝ることにし、
「仕方ない、土鬼が戻ってくるまで寝てるかっあぁ!」
土鬼が戻るのを待った。
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